どれも単純なサーバ仮想化ではなく、まさにクラウドの特徴となっています。 これらをマイクロソフトの製品で実現したものがHyper-V Cloudとなります。 ・サーバの仮想化 → Windows Server 2008 R2 Hyper-V ・セルフサービス → System Center Virtual Machine Manager セルフサービスポータル ・仮想環境の管理、リソースプール、自動プロビジョニング → System Center Virtual Machine Manager ・計測と監視、リソース最適化 → System Center Operations Manager ・IDとアクセス管理 → Active Directory ・バックアップ → System Center Data Protection Manager ・構成管理、パッチ管理 →System Center Configuration Manager
Hyper-V Cloud Fast Track 実際にHyper-V Cloudを導入する場合はマイクロソフトのパートナー企業が行います。 これらのマイクロソフト製品群と、サーバやネットワークなどのハードウェア、さらにそのパートナ企業独自の付加価値ソフトウェアなどをまとめて事前に動作検証した製品やサービスをHyper-V Cloud Fast Trackと呼ぶようです。
■T3-203 企業内に分散している Windows Server の統合、管理、バックアップの手法と効果 大企業ともなれば数百台から数千台のWindows Serverを管理しています。 私のお客さんでも100台、200台のサーバを管理しています。 最新のWindows Server 2008 R2なんてごくわずかで、多くはWindows Server 2003あるいはそれ以前のOSのはずです。
まずファイルサーバやドメインコントローラのようにOSのバージョンにあまり影響されないサーバは素直にWindows Server 2008 R2にアップグレードする。 実際に私のお客さんでも、サーバ機の入れ換えと共に最新OSにしています。
次にアプリケーションを実行しているサーバの場合、OSをバージョンアップするのは容易ではありません。 そこでSystem Center Virtual Machine Managerを使って物理サーバを仮想マシンに変換、いわゆるP2Vコンバートを行うわけです。 コンバート後の仮想マシンの管理も基本的にはSystem Center Virtual Machine Managerで行います。
そして仮想マシンのデータ保護、あるいは仮想マシン全体のバックアップにはSystem Center Data Protection Managerとなるわけです。 その他のSystem Center製品群、Operations Manager、Configuration Manager、Service Managerなどと、それらを合わせたスイート製品であるSystem Center Server Management Suiteの紹介もありました。
■T6-202 プライベート クラウドへの道 ~ System Center を中心としたホスティング ソリューション ~ これはちょっと異色でした。 これ以外のセッションはSystem Center製品群やHyper-V Cloudなのに、これだけサービスプロバイダー・ホスティング事業者向けのセッション。 System Center製品群を利用したHyper-V Cloudを使ってPaaSやIaaSをサービス提供するお話でした。
次期版であるSystem Center Virtual Machine Manager 2012では、ホスト・ゲストをまとめた"クラウド"という管理概念ができます。 "クラウド"の下に例えば社内であれば「○○事業部」とか「○○システム」、外部向けであれば「○○社」などの管理単位を作成します。 この管理単位ごとにリソースを割り当てておけば、その管理単位の利用者が、割り当てられたリソースの範囲内で、自分自身で仮想マシンの構成を変更することができます。
もちろん利用者はSystem Center Virtual Machine Managerのセルフサービスポータル経由で管理画面にアクセスします。 この機能はいいですね。 別にホスティング事業者でなく社内のシステムであっても、システムごとにグループ化してリソースを割り当てておけば、システムごとに割り当てられた範囲内で各サーバにリソースを配分できる。
■T3-206 System Center 2012 で実現する Hyper-V Cloud 今までのおさらいみたいなセッションでした。 次期版のSystem Center製品群を利用して、Hyper-V Cloudを利用するお話です。
プライベートクラウドの構成要素は以下の通りで、System Centerについての説明です。 ・管理コンソール、オーケストレーション、自動化、管理 → System Center製品群 ・仮想化 → Windows Server 2008 R2 Hyper-V ・ハードウェア → Hyper-V Cloud Fast Track
System Center Virtual Machine Manager 2012 ・複数の仮想マシンとアプリケーションをまとめてライブラリにテンプレート化 ・ハードウェア層(ファブリック)の管理としてこれらが強化された →Hyper-V、VMwareに加えてXenServerも管理可能 →Hyper-Vホストはベアメタルからプロビジョニングが可能 →WSUSを統合してホストのパッチ適用 →仮想マシンの自動再配置(VMwareのDRS) →負荷に応じてホストの自動電源OFF・ON(VMwareのDPM)
System Center Orchestrator 2012 ・たとえば仮想マシンの作成で、成功 or 失敗で分岐するなどのジョブフローをGUIで登録できる ・ヘルプデスク、サーバー管理者、アプリケーション管理者、ネットワーク管理者などのセクションを超えたデータセンター業務をジョブフロー化できる
System Center Service Manager 2012 ・ITILの「インシデント管理/問題管理/構成管理/変更管理/リリース管理」を行うための製品 ・構成管理データベース(CMDB)、ユーザー向けの申請やナレッジ参照ポータル ・これらを行うためのワークフロー
System Center App Controller 2012 ・パブリッククラウドのWindows AzureとプライベートクラウドのHyper-V Cloudを一元的に管理
System Center 2012のロードマップ ・System Center Virtual Machine Manager 2012 →現在はRC ・System Center Orchestrator 2012 →現在はBeta ・System Center Service Manager 2012 →もうすぐBeta ・System Center Operations Manager 2012 →現在はBeta ・System Center Configuration Manager 2012 →現在はBeta2 ・System Center Data Protection Manager 2012 →現在はBeta ・System Center App Controller 2012 →現在はBeta
2011/9/28(水)と29(木)の2日間、日本マイクロソフトは The Microsoft Conference 2011 を開催しました。 http://www.microsoft.com/japan/events/msc/2011/default.aspx ・マイクロソフト コンファレンス 2011 ホーム - The Microsoft Conference 2011 私は仕事が一段落していたこともあり、9/28(水)の午後からいくつかのセッションに参加してきました。 こんな大々的なイベントは久しぶり。 私としてはWindows Server 2008のお披露目となった、the Microsoft Conference 2008以来です。
参加したセッション 13:00 - 14:00 T3-201 最新の事例からみる、Hyper-V Cloud 導入の効果 14:20 - 15:20 T3-203 企業内に分散している Windows Server の統合、管理、バックアップの手法と効果 15:40 - 16:40 T6-202 プライベート クラウドへの道 ~ System Center を中心としたホスティング ソリューション ~ 17:00 - 18:00 T3-206 System Center 2012 で実現する Hyper-V Cloud
(写真1)2011/9/28 14:08 Hyper-V Cloud Fast Trackコーナー マイクロソフトの提供するパブリッククラウドは、言わずと知れたWindows Azure。 しかし市場ではプライベートクラウドのニーズも高いようで、今回はマイクロソフトの提供するプライベートクラウドとして「Hyper-V Cloud」のアピールに力を入れているようでした。
(写真2)2011/9/28 14:11 Hyper-V Cloud Fast Trackコーナー Hyper-V Cloud Fast Trackとは、プライベートクラウド構築のためのハードウェアとソフトウェアの構成をマイクロソフトとパートナー各社が検証済みでユーザー企業に提供する仕組みのようです。 Windows Server 2008 R2 Hyper-VとSystem Center製品群などを中心に、パートナー企業が提供するハードウェアやソフトウェアなどで構成されるようです。